介護をされている方の中には、ご自宅や入院をしたときに床ずれ(褥瘡・じょくそう)目にしたことがあるのではないでしょうか?
床ずれ(褥瘡)は出来てしまうとご本人様には苦痛となりますし介護を頑張っておられるご家族様にもとても負担になると思います。
そこで今回は、床ずれ(褥瘡)の原因と予防法についてお話しさせていただこうと思います。
目次
床ずれ(褥瘡・じょくそう)とは?
床ずれ(褥瘡)とは、ベッドマットや布団、車椅子などと触れている部分の皮膚が長時間続けて圧迫されているとその部分の皮膚の血流が悪くなり、皮膚や皮下組織、筋肉などへ必要な酸素や栄養が十分にいきわたらなくなります。その結果、圧迫された皮膚の細胞が壊死した(死んでしまった)状態を言います。
床ずれ(褥瘡)の原因は?
床ずれ(褥瘡)は、寝たきりや車いすなどに座った状態で長時間同じ姿勢でいた時やおむつを使用していることによるむれ(湿潤)により皮膚が弱くなってしまう(皮膚の脆弱)ことが原因で起こります。
特に、床ずれ(褥瘡)は体の場所で特に圧迫してしまうところにできやすく、やせて骨が出ている、またはお尻や踵に良くできてしまいます。
床ずれ(褥瘡)か見極めるポイント!
始めは長時間圧迫を受けた体の部分の皮膚が赤くなります。
赤くなっているだけなのか床ずれ(褥瘡)になっているのかの見極めとしては2つあります。
➀皮膚が赤くなっているのを見つけたらその部分が圧迫されないように体の向きを変えてみます。
30分後、もう一度同じ部分を観察し赤みが消えていたら床ずれ(褥瘡)ではありません。
赤みが消えていないときは床ずれ(褥瘡)になっている可能性があるため注意が必要です。
②人差し指で赤い部分を3秒ほど軽く押してみます。
押したときに白くなり、指を離すと赤く戻るのは床ずれ(褥瘡)ではありません。
押さえても赤いままの時は初期の床ずれ(褥瘡)と判断します。
床ずれ(褥瘡)になってしまうと、「赤み」「かゆみ」「痛み」「ただれ」「水ぶくれ」「内出血」などの症状を引き起こします。
また、症状が重くなってしまうと皮膚だけでなく皮下組織や筋肉、骨にまで影響し傷口に細菌が入ってしまい敗血症になってしまいます。
床ずれ(褥瘡)かな?と思ったらかかりつけの医師や訪問看護師に相談してください。
床ずれ(褥瘡)予防の3つのポイント!
今回は、床ずれ(褥瘡)予防法のうち3つお話しさせていただきます。
➀2時間おきに体の向きを変える(体位変換)
床ずれ(褥瘡)を予防するときに有効なのがこまめに姿勢をかえてあげる「体位変換」が効果的です。
高齢の方は、寝たきりになると筋肉が衰えてしまい、寝返りを打てなくなってしまうことがあります。車椅子に乗っていても同じで座り直しが出来ない、寝返りが打てなくなりことで同じ姿勢でいる時間が増え床ずれ(褥瘡)の原因になってしまうため、約2時間に1回体の向きを変えてあげる(体位変換)、座り直し(シーティング)をすることが大切です。
2時間に1回は理想ですが介護とお仕事を両立されている方や夜間など難しいときには「床ずれ(褥瘡)予防マット」や「体位変換用クッション」などの福祉用具の検討してみてください。
また、服の上から背中に手を入れ、上から下に優しくなでることも床ずれ(褥瘡)予防になります。服のしわを直すときや車いすに座っている時、身体の向きを変えた時に行ってみてください。
お洋服のしわを伸ばしておくことも床ずれ(褥瘡)予防にとても大切です。
②皮膚の清潔にし、保湿をする
おむつ交換の時に、ぬるま湯(37度から38度)に清拭剤(沐浴剤)などを混ぜ陰部を洗います。
*お湯の温度は冷たいとご本人様にとって不快になりますし、熱いと肌に負担をかけてしまうため注意が必要です。
また、ぬるま湯で陰部を洗うのは、一日一回やお通じがよく出た時などで良く洗いすぎにも注意してください。
そして清潔にした肌に保湿クリームを塗り乾燥予防と排泄物からの皮膚への負担を軽減させてあげることも大切です。
ちなみに私が働く施設では、保湿に「ワセリン」をその方の皮膚の状態に合わせ回数を変えて使用しています。
③栄養のあるお食事をとりましょう
寝たきりになった高齢の方は筋肉が落ちてしまうことや体力が落ちてしまうこと、認知症の悪化からお食事がとれず栄養状態が悪いために床ずれ(褥瘡)を引き起こしてしまいます。
お食事がとれる場合は、しっかりと食べていただき皮膚や筋肉に栄養を与え上部にしておくことも大切です。
食べることが出来ないときには、「栄養補助食品」などの検討をしてみてください。
最後に
正しく予防していても寝たきりや御飯を食べれないために栄養状態が悪いなどご本人様の状態によっては予防をしていても床ずれ(褥瘡)は出来てしまうこともあります。
私の祖母も入院中に床ずれ(褥瘡)になってしまい見ているこちらが痛くとても悲しい気持ちになったのを覚えています(私が高校生の頃の話です)。
少しでも、床ずれ(褥瘡)が無く快適な生活が過ごせますよう今回お話しさせていただいたことがお役に立てればうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。