日増しに気温が下がり寒さが増していますね。
自宅介護をしている方にとって、高齢の方の健康管理には特に気を付けたい季節ではないでしょうか。
そこで今回は、冬が本格的に始まる前に在宅で介護で気を付けたいことをお話させていただければと思います。
目次
冬の寒さが体に与える影響
冬の寒さが本格的に増す、12月から2月にかけて気を付けたいことは、冷えてしまうことによる体への影響です。
身体が冷えることによって、体温が下がり免疫力の低下を招き感染症になりやすくなる、寒暖差が大きくなり「ヒートショック」が起こり脳出血や心筋梗塞を起こしやすくなる、気付かないうちに脱水や熱中症の状態になってしまうなど寒さによる体への負担(ストレス)が多くかかってきます。
そのため、ご自身では中々気づきにくいこともあるため、周りの方がご本人様の様子を観察し日々の生活の中で注意していく必要があります。
体温が下がる低体温について
低体温を起こしてしまうのは、体の芯の部分の体温である「深部体温」の低下が原因です。
そのため、体温計で皮膚お表面温度を測っていても気付かないということがあります。
深部体温を測定するためには、直腸で体温を測る必要があり直腸温が35度以下になると低体温となります。
ご自宅では、ここまで体温を測定することはありませんし測定が必要というわけではありませんが、寒さになれてしまっても体温は下がっていること、ご本人様では低体温であることを自覚しにくいことに注意して介護を行う周りの方が関わる必要があります。
低体温の症状としては、便秘、指が動かしにくい、皮膚が青白い、身体に震えがみられるなどです。
<対策>
室温を19度以上に保ち室温が低い状態を作らないことが大切です。
室内であっても、寒さを意識することが大切で、まだ大丈夫と我慢してしまいやすい高齢の方の代わりに周りの方が室温を意識して調節しましょう。
また、重ね着をする、座る時にひざ掛けを使う、寝間着の下に肌着を着る、靴下をはくなど適度に調節し防寒対策も大切です。
運動不足や栄養不足、低血糖なども低体温になる要素のため、散歩や室内で出来る簡単な体操や栄養のあるバランスの取れた食事、糖尿病などの病気をお持ちの方は治療をして血糖のコントロールを行いましょう。
ヒートショックについて
ヒートショックを起こしてしまう場面としては、入浴はもちろんですが、夜間に行くトイレでも原因となってしまいます。
短時間に急激な温度変化を体が感じると、血管や心臓に負担がかかってしまい、脳梗塞や心筋梗塞、不整脈などを起こしてしまいさらに意識をなくしてしまいます。
ヒートショックは誰にでも起きる可能性がありますが、特に年齢を重ねた方にとって心臓の機能や自立神経のバランスが不安定になっていると、急激な温度変化によって血圧の変化がおきやすくなるため注意が必要です。
<対策>
ご自宅の空間ごとの寒暖差をなくし体への負担を避けることが大切です。
室内を温めることに加えて、脱衣所やトイレも温めておく、入浴前に浴室の壁や床にシャワーで温めておくことで寒さへの予防をしましょう。
そして、入浴の前後に水分を補給することでもヒートショックの予防になります。
冬の脱水について
冬場は、空気の乾燥や呼吸や皮膚から出ていく水分量(不感蒸泄)が増えることで汗をかいていなくても体内の水分が失われていきます。
また、高齢の方はのどの渇きを感じにくく、お手洗いに行く回数が増えることを嫌がり水分の控えてしまうことが多く脱水になってしまうことがあります。
<対策>
食事の時や食事と食事の合間にこまめに水分をとることを心がけます。
一気に飲まず、一回にコップ一杯程度をゆっくり取ります。
また、お部屋の湿度を50~60%に保つことも大切です。
最後に
低体温になってしまうと、感染症や癌、便秘の原因になってしまいます。
低体温に気を付け、安心な日常が送れますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました。