ステロイドについてどんな印象をお持ちですか?
私は、ステロイドを長年使用していましが、よく耳にするのは、「ステロイドはその場しのぎ…やめるとまた出てくる」や「副作用が怖い」というものでした。
実際、使用していて使っている間は良くなりますが、やめてみると湿疹やかゆみが出ていましたし、使用する機関が長くなるほど効き目が弱くなりどんどん強いものに移行していきました。
そこで今回は、ステロイドは何なのか、副作用はあるのか、やめるときの注意点などをお話させていただければと思います。
目次
ステロイドとは
私たちは、もともと副腎という臓器で「ステロイドホルモン」を作る働きがあります。
副腎皮質から分泌されたステロイドホルモンの働きとして、ストレスなどが原因となって生じた体内の炎症を鎮める働きがあり、私たちの身体にはなくてはならないホルモンになります。
この「ステロイドホルモン」の持つ作用を人工的に薬として応用したものが「ステロイド剤(副腎皮質ステロイド薬)」です。
ステロイド剤は、免疫の過剰反応によってアレルギーに対し、免疫反応を抑制、発病を防ぐのを目的に作られた薬になります。
ステロイド剤による主な副作用
ステロイド剤を使ったからすぐに副作用が出るというわけではありませんが、使用方法が間違っていたり、長期間の使用によって副作用が出るリスクが高まります。
➀表皮の増殖や再生を抑制し、皮膚や血管の萎縮
ステロイドは、表皮の増殖や再生を抑え、神秘血管を萎縮させたりしてしまいます。
また、コラーゲンの生成を邪魔してしまうため、毛深くなったり、目の下や口の周りにしわが出来やすくなったりします。
そして、皮膚が薄くなり、少しの刺激(掻いたり、こすったりなど)でもすぐに赤くなり傷つきやすくなってしまいます。
皮膚が萎縮すると、顔が赤くなったり、毛細血管が広がり赤い糸のような筋(ミミズばれ)が頬に現れたりしてしまいます。
②免疫力の低下
ステロイドホルモンは過剰に反応した免疫反応を抑制する働きがあるため、細菌(化膿菌、白癬菌、カンジダ菌など)やカビ、ウイルスに感染しやすくなってしまいます。
③ステロイドをやめたことによるリバウンド現象
ステロイド剤を急にやめてしまったことによって起こることを「リバウンド現象」といいます。
このリバウンド現象が強く表れてしまうと
・体中が真っ赤に腫れあがる
・全身からジュクジュクとした液が出てくる
・発熱
・強い痒み
などに見舞われ夜も眠れないと言ことが起こることもあります。
そして、長期のステロイドの使用によって副腎の機能が低下している状態で、急にステロイドをやめてしまうと、体内の副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)が不足し、寒気、吐き気、むくみ、倦怠感(だるさ)、色素沈着、閉経などを起こしてしまう危険性もあります。
④その他
・副腎皮質の機能障害
・背が伸びないなどの子供の発育障害
・骨粗鬆症
・ムーンフェイス
などを引き起こしてしまいます。
アトピー性皮膚炎の方の皮膚は、常にカサカサしているため健康な皮膚よりも、ステロイドの成分をとてもよく吸収してしまいます。
そして、吸収されたステロイドの成分は血管から全身に回るのです。
そのため、副作用は軟膏では起こることはまれ、内服の副作用と混同している、塗った部分にしか作用しない、弱いステロイドなら大丈夫、など言われていますが、皮膚の状態や使用方法、使用期間によっては、軟膏でも内服薬と同じような副作用を起こしてしまうこともあります。
ステロイドの正しい使いかたとやめるときの注意点
正しい使いかた
長期間使用している方、かゆみが強く日常生活に支障が出ている方などにとってステロイドが必要なときはあります。
火事(炎症)が起こったら、急いで火を消す(ステロイド剤)必要がありますよね。
そんな時は、正しい強さのステロイドを使う、正しい量や使用方法を守る、塗り方に気を付ける必要があります。
正しい強さのステロイドは、その時の皮膚の状態やかゆみの程度、使用している期間などを医師と相談し決める必要があります。
また、塗る時の量と塗り方ですが「フィンガーチップユニット」という使用量の目安があります。
これは、大人の人差し指の第一関節の長さ(約0.5g)に対し、大人の手のひら2枚くらいの範囲に塗ることを言います。
ステロイド剤だけではなく、ほかの塗り薬の目安にもなります。
そして、ステロイド軟膏の塗り方の基本は「こすらず、薄く」を意識し、「薬指」で塗ることをおススメします。
薬指は、力が入らず肌に負担をかけないよう優しく煮ることが出来ます。
やめるときの注意点
それは、ゆっくり時間をかけてやめることです。
最初は一日に何度か塗っていたのであれば一日一回から、そして一日おき二日おきにと少しずつ、それぞれ2から3週間かけておこなってください。
そして、焦りは禁物で、次に進んだときには身体の声を聴いてみて、痒みや湿疹赤みが出てきたら一つ前に戻ってもう一度2・3週間続けてから次の段階へと一段一段ゆっくり階段を上るようにやめていきましょう。
最後に
今回、ステロイドのことや副作用についてお話ししましたがいかがでしたか?
私も、ストロイドを長年使用していますし、やめたいという気持ちの焦りからやめていくスピードが速くなり「リバウンド現象」を起こしてしまった経験があります。
健康な皮膚を取り戻し、かゆみのない生活を送れることを願って…。
最後まで読んでいただきありがとうございました。