生活習慣病の一つと言われている「高血圧」という病気をご存じですか?
名前だけ聞いたことがあるけど詳しくは知らないという方もおられるのではないでしょうか?
年齢を重ねることにより高血圧のリスクも上がってきます。
そこで、ご家族様の介護をしている方に知っておいてほしいことをお話させていただこうと思います。
目次
高血圧ってどんな病気?
身体を動かしたり寒さを感じたりすると、血圧は一時的に上昇して体温の維持や調節を行っています。
血圧は、一日の中で変動しますし、一時的に上がる血圧は正常な体の反応のため問題ありません。
ですが、リラックスしている時(安静時)にも、血圧が持続的(慢性的)に高い状態で経過している状態を「高血圧」といいます。
高血圧の基準としては、「最高血圧140㎜Hg以上、最低血圧90㎜Hg以上」とされていますが、高齢の方に対しては「最高血圧150㎜Hg以上、最低血圧100㎜Hg 以上」とされています。
「高血圧」の状態が慢性的に続いていると、常に血管に負担がかかっている状態となり、血管の内壁が傷ついてしまったり、柔軟性がなくなってしまったりして、動脈硬化の原因や血管が詰まってしまうことにより脳梗塞の原因となってしまいます。
収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)とは?
血圧を測ると収縮期血圧(上の血圧)は、拡張期血圧(下の血圧)は、と聞きますよね?
収縮期血圧は、心臓が収縮し血液を心臓から送り出した状態の一番高い血圧を言います。
拡張期血圧は、心臓に血液が戻ってきたときの一番低い血圧を言います。
収縮期血圧も拡張期血圧も低すぎても高すぎても体に負担となるため普段の血圧を知っていることがとても大切になります。
年齢が上がるとリスクが上がるのはなぜ?
年齢を重ねていくと高血圧のリスクが上がる大きな理由は、年齢を重ねることに伴って血管も衰えてしまうこと、血管の弾力性が失われることにあります。
そのため、年齢を重ねるごとに高血圧の方の割合が上がっていきますし血圧の数値が血管年齢の指標となります。
血管の衰えを緩やかにするために、「適度の運動」「食生活」などの健康的なライフスタイルを送ることも大きく関係してきます。
高齢の方の高血圧の特徴
年齢によって高血圧のリスクは上がっていきますが高血圧を放置していると脳卒中や心筋梗塞を引き起こすリスクを高めてしまいます。
・最高血圧(収縮期血圧)が高くなりやすい
・最低血圧(収縮期血圧)が低くなりやすい
・最高血圧と最低血圧の差が広がることで心臓への負担が大きくなる
・血圧が高いが、脳への血液の量は少ない
・糖尿病を引き起こすことが多い
・温度差などの影響で、脳卒中や心臓の病気を引き起こしやすい
などの特徴があります。
そのため、日ごろから同じ時間に血圧を測っておくことで病気のリスクを減らすことに繋がります。
白衣高血圧とは
「病院に行って血圧を測るといつも血圧が高い」そんな方はいらっしゃいますか?
これは高齢の方に限らずどの年齢の方にも言えることですが白衣やナース服を着た医療者を見ると血圧が高くなってしまうことを「白衣高血圧」といいます。
定義として、病院で測ったときの血圧が「最高血圧140㎜Hg以上、最低血圧90㎜Hg以上」と高くても、ご自宅で測った血圧が「最高血圧130㎜Hg未満、最低血圧80㎜Hg未満」と正常となることとされています。
先ほども言っていましたが、毎日同じ時間に血圧を測っておくことは治療の目安になります。
高血圧を予防しよう
塩分を控えよう
一日の食塩の摂取量の目安は13gと言われています。
ですが血圧が高い「高血圧」の方は、その半分の6~8gに抑えることが良いと言われています。
食塩を1g減らすことで血圧が0.5~1下がると言われており、治療中の方でしたら内服薬の効果を弱めてしまうため、食塩を制限したお食事を意識することが大切です。
家族の方に「高血圧」の方がおられる場合は特に意識してみてください。
適度な運動
散歩や軽めのジョギング、水泳は手足の大きな筋肉を収縮・弛緩させる全身運動となります。
心臓や骨の病気や状態に考慮しないといけませんが、心拍数(脈拍)100回/分程度の運動がいいいとされています。
<タオルグリップ>
高血圧の方にお勧めの運動として、「タオルグリップ」という方法があります
フェイスタオルを丸めて握り、右手で2分握ったあと、1分間休憩し左手に持ち替えまた2分間握ります。
これを2セット繰り返します。
握る時のポイントとして指通しがつかない程度に握ることです。
10分ほどで出来ますし、おうちの中でも出来るためぜひ行ってみてください。
タオルグリップや先ほど挙げた運動に共通なのは血管の収縮と拡張を繰り返すことで血管が広下柔らかくすることが出来るため血圧を下げる効果があると言われています。
カリウムを取ろう
野菜や果物、豆、いも類に多く含まれているカリウムは、体内の重要なミネラルの一つで血圧を下げる働きがあります。
ただし、腎臓が悪い人はカリウムを制限する必要があるためご本人様の状態に合わせた摂取をおススメします。
このほかにも、食物繊維、カルシウム、マグネシウムを多く含む食品も血圧を下げてくれると言われています。
最後に
今回は、「高血圧」についてお話させていただきましたがどうでしたか?
高血圧といっても、血圧の基準や高齢の方に見られる特徴などがあります。
日々、血圧を測ることや生活習慣を整えることで高血圧によるリスクを少しでも減らせるといいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。