年齢を重ねていくと骨も弱くなっていきますが骨が急激に弱くなった状態を「骨粗鬆症」といいます。
そして、筋力の低下やバランス感覚の低下から転倒してしまうことが増えることに加えて、骨が弱くなっていると骨折の危険も増えてしまいます。
そこで今回は、転倒による骨折の危険を少しでも減らすために、「骨粗鬆症」についてどんな病気なのか、予防法についてお話させていただきます。
目次
骨粗鬆症とは?
骨は土台にあたるカルシウムとそれを支えるコラーゲンで出来ています。
そして、骨は常に吸収と形成が繰り返し行われており、健康な骨の中身は密度が高く丈夫に出来ています。
ですが骨粗鬆症になってしまうと、骨密度が低下し骨の中身がスカスカになってしまいます。
骨密度が低下した骨は、転倒や重たい荷物を持ち上げようと前かがみの姿勢になっただけでも骨折してしまうほど弱くなってしまいます。
男性と女性の割合としては2:8と女性が圧倒的に多い病気となります。
骨粗鬆症による骨折しやすい部位
・手首(橈骨(とうこつ))
・背骨(脊椎)
・太もものつけ根(大腿骨近位部)
・腕のつけ根(上腕骨)
その中でも、太もものつけ根(大腿骨近位部)を骨折してしまうと歩けなくなり車椅子や寝たきりになってしまう危険性があります。
そして、背骨(脊椎)の骨折は身体の重みで押しつぶされてしまう「圧迫骨折」が多く、背中や腰が曲がってしまう「側弯症」の原因になります。
骨粗鬆症の原因
骨粗鬆症の原因には
・加齢
・生活償還(運動不足、食生活など)
・喫煙
・閉経後のホルモンバランスの変化
・関節リュウマチやステロイド薬の使用
など様々な原因が考えられます。
骨粗鬆症を予防しよう
骨粗鬆症を予防するには適度な運動と骨密度を低下させない食事療法が大切となります。
食事療法
カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどは、骨の形成に役立つ栄養素となり、特にカルシウムとビタミンDを一緒に取ることで腸でのカルシウムの吸収を促すことが出来ます。
そして、骨に必要なコラーゲンはビタミンBと葉酸からとることが出来ます。
カルシウム
一日の摂取推奨量は、700~800㎎といわれています。
・乳製品(牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズ)
・魚介類(わかさぎ、干しエビ、しらす干し、ししゃも)
・青野菜(小松菜、チンゲン菜、大根の葉)
・大豆製品(おから、木綿豆腐、納豆、高野豆腐)
・海藻(乾燥ひじき、刻み昆布、乾燥わかめ)
・その他(ごま、切り干し大根)
などに多く含まれています。
ビタミンD
成人の一日摂取量の目安は5.5㎍といわれ、上限量は100㎍(2015年)といわれています。
・魚介類(サケ、ウナギ、サンマ、メカジキ、アンコウ、にしん)
・キノコ類(シイタケ、きくらげ)
・その他(卵、いくら、バター)
ビタミンK
成人の一日摂取量は150㎍(2015年)といわれています。
・大豆製品(納豆、大豆)
・青野菜(ほうれん草、小松菜、ニラ、ブロッコリー、サニーレタス、キャベツなど)
・その他(鶏卵)
ビタミンB
成人の一日摂取量は、男性で1.4㎎、女性で1.2㎎(2015年)といわれています。
ビタミンB6
・野菜類(唐辛子、ニンニクなど)
・魚介類(マグロ、赤身)
・穀類(米、米ぬかなど)
ビタミンB12
・魚介類(サケ、イワシ、ウナギ、しじみ、あさりなど)
・海藻(のりなど)
避けた方がいいもの
・スナック菓子やインスタント食品の頻繁な摂取
・アルコール
・カフェインを多く含むコーヒーなどの飲み物
・たばこ
これらの物は取りすぎてしまうとカルシウムの吸収を阻害してしまうといわれているため注意が必要です。
適度な運動
高齢な方にお勧めなのが、早歩きでの散歩です。
少し遠くを見て、腰から下を意識しながら全身を使うように意識し早歩きをします。
高齢の方の中には、杖やシルバーカーを使用している人もいると思います。
そんな方でも、少し意識をして歩くだけでも効果があります。
「散歩に行こう」と声を掛け、ご家族様も一緒に散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。
最後に
「骨粗鬆症」をお持ちの方が転倒してしまい寝たきりになる、また要介護状態が悪化してしまうということが多くあります。
要介護状態になる前に原因になってしまう「骨粗鬆症」を予防していきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。