特別養護老人ホームとは、在宅での生活が困難になった要介護の認定を受けた高齢の方が入居できる公的な「介護保険施設」の1つで、「特養」と呼ばれることもあります。
民間が運営している有料老人ホームなどに比べると安い料金で入居出来きます。
今回は、安く利用することが出来る、「特別養護老人ホーム(特養)」についてお話させていただこうと思います。
目次
特別養護老人ホーム(特養)の特徴
介護老人保健施設(特養)は、地方自治体や社会福祉法人が運営する施設のことを言います。寝たきりや認知症により常に介護が必要で自宅では介護が難しい高齢の方が入居され、食事、排泄、入浴といった生活全般にあたる介護を24時間受けることが出来ます。
そして、入居者様の最後のときを一緒に過ごさせていただく「看取り」をおこなっているのも特徴です。
特別養護老人ホーム(特養)の特徴の大きな利点の一つに費用の安さがあります。
民間が経営している老人ホームとは違い、入居の際一時金は必要なく、月額の費用も10万円前後ですむことが多いです。
また、入居期間の期限はなく長期的な利用が可能で「終の棲家」としての利用も可能です。
ただし、高度な医療行為が必要と判断されご本人様やご家族様の希望があれば医療機関に入院となるため退所しなければいけないこともあります。
もう一つの特徴は重度の認知症や寝たきりの方が入所される施設のため、手厚い介護を受けることが出来るのも大きな特徴です。
ただし、入居を希望される方が多いのも現実で、入所が出来るまで1年から数年待たなければいけないということも多くあります。
特別養護老人ホーム(特養)への入所できるはどんな人?
特別養護老人ホーム(特養)への入居の基準として、原則「要介護3~5で65歳以上の方」となっています。
特定疾病にかかっている場合は、40~64歳の方の入居も認められます。
基準は、2015年4月に制度改正があり要介護の認定を受けた方(要介護1以上)から要介護3以上と変更になりました。
特例として、やむを得ない事情があり場合は、要介護1や2の方も入居が認められる場合があります。
特例を受けることが出来る条件
〇認知症の方で、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さなどが頻繁にみられる。
〇知的障害・精神障害を伴い、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さなどが頻繁にみられる。
〇家族や周りの介護者による深刻な虐待が疑われる状態にあり、心身の安全・安心の確保が困難な状態のとき。
〇単身世帯(独居)や同居家族が高齢または病弱であり、家族からの支援が期待できないおとき。また、地域での介護サービスや生活支援の提供が不十分なとき。
入居までの順番は、申込された順番に加え毎月地域ごとで開かれる入居判定委員会により決定されます。
要介護度やご家族様の状況などから緊急度が点数化され、点数が高い順に入居となる場合もあります。
そのため、緊急度が低いと判断されると数年待たなければいけないこともあるためその事も考慮しておかなければなりません。
特別養護老人ホーム(特養)で働くスタッフの特徴
特別養護老人ホーム(特養)は、介護士または看護師が入居者3人に対して1人以上、機能訓練指導員が1人以上と義務付けられていて、安定した介護・看護サービスを受けることが出来ます。
ただし、介護老人保健施設(老健)とは違い、24時間看護師が常駐していないため、痰の吸引や胃瘻、経管栄養、褥瘡の処置などの日常的な医療ケアを必要とする方は対応していないと施設もあり入居できない場合があります。
医療ケアが必要な方は、お近くの入居を希望する施設に直接問い合わせていただくのが良いと思います。
まとめ
今回は、特別養護老人ホーム(特養)についてお話させていただきました。
入居に要介護3以上と制限がありますが安く入居ができ、24時間手厚い介護を受けることが出来ます。
ただ、入居を希望する方も多く、なかなか入居できないことも現実にあります。
入居を希望される方は早めに施設を見学し申し込みされることをおススメします。
最後まで読んでいただきありがとうございます。