脱水と聞くと夏に多いと思われる方が多いと思いますが冬にも脱水は起こります。
これを「隠れ脱水」といいます。
高齢になるとご本人も周りの方も気付かずないうちに、「隠れ脱水」になっていることが多くあるため注意が必要です。
今回は、この「隠れ脱水」についてお話しさせていただければと思います。
目次
隠れ脱水って何?
夏に多いと思われがちな脱水ですが冬に起こる原因は“湿度の低さ”にあります。
また、エアコンやこたつなどの暖房器具を使うとお部屋の温度が上がり、よりお部屋は乾燥し湿度を下げる原因になります。
「隠れ脱水」をほっておくと心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めてしまうため、とくに高齢者は「隠れ脱水」に注意する必要があります。
何で高齢者に多いの?
では、なぜ高齢者は多くみられるのでしょうか。
それは、加齢により“体の水分量が少なくなること”と“のどの渇きを感じにくくなるから”といわれています。
そのため、水分をとることが少なくなりこれが一番の原因ではと考えます。
人は生きていると皮膚や呼吸をすることにより水分は必ず出ていきます。
これを「不感蒸泄」といいますが高齢の方は、のどが乾いたという感覚になりにくく水分を取ろうという気持ちにもなりにくなります。
そのため、水分をとる量が少なくなったのに汗や呼吸から出ていく量は同じということが起こり脱水になってしまいます。
また、お手洗いに行く回数が増えるのを嫌い水分をあえて取らないという方もいるためより気付かないうちに脱水を起こしてしまいます。
私が働く施設でも、水分を促す声掛けを行うとよく利用者から「飲みすぎたらあかん」「トイレに行きたくなるから飲みたくない」と言われるためその都度説明させていただいています。
脱水を見つけるポイントは?
軽度
皮膚の乾燥や唇がカサカサしている口の中が乾燥しているというときには水分を取りましょう。
いつもと違いボーっとしているなと感じたときには脱水を疑いましょう。
軽度の脱水を疑ったときには、手の甲の皮膚をつまんでみて離してもすぐに元の状態に戻らない、爪を押して色がすぐに戻らないということでも判断することが出来ます。
中度
脱水が進行すると頭痛や吐き気などの症状が出てきます。
体内の水分が減ってしまうと汗やお小水の量や回数が減ります。
そのため、お手洗いに行く回数をチェックしてみる、量が少なくないかや色が濃くないかを見ることが大切です。
重度
脱水がさらに進んでしまうと、声を掛けても反応することが出来なくなります。
この段階では、意識を失ってしまうこともあるため危険な状態となります。
脱水を予防しよう!
➀お食事や3時のおやつの時に必ずコップ一杯の水分を飲んでもらう。
食事の時間やお風呂上りなど飲み物を進めるタイミングを逃さないことが大切です。
汗をかく夏に比べ寒い冬は汗をかきませんが目に見えないところで体の水分は減っていきます。
そのため、タイミングを見つけ意識的に水分をとるなどの注意が必要です。
②お部屋の加湿をする。
加湿器を使用するのもいいですが、簡単に出来ることの一つとしてお部屋に濡れたタオルをかけておく、洗濯物を室内に干すなどの方法があります。
そして、お部屋の温度は28度を目安に、湿度を50%以上にするよう心がけましょう。
お部屋を暖めすぎるとより乾燥してしまうため28度くらいの温かすぎず寒くない温度がちょうどいいと思います。
まとめ
高齢の方は、のどの渇きが感じにくい、お手洗いに何度も行くことを嫌がるなどの理由で水分をとることを控えてしまいがちです。
日ごろから、「飲んでんね!」や「飲めた?」と声掛けをして重度になる前の「隠れ脱水」を予防することが大切です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
One thought on “高齢者に多い冬の脱水を知っていますか?”