前回は、前頭側頭型認知症の特徴と進行かていについてお話しさせていただきました。
今回は、症状の対応についてお話しさせていただこうと思います。
目次
対応の方法は?
➀人格障害の対応には常同行動を利用しよう!
以前の戦闘側頭型認知症の特徴でもお話ししましたが、前頭葉に異常が起こるとこの人格障害という症状が多く起こります。
人格障害が起こり一番周りの家族や介護所を悩ませてしまうこと。
それは、社会性がなくなったことによる反社会的行動ではないでしょうか。
社会性がなくなってしまうとやりたい放題になってしまい、身勝手な行動をしてしまいます。
社会のルールもわからなくなってしまうため、「万引き」という犯罪にもつながります。
対応方法としては、前頭側頭型認知症の症状の一つである「常同行動」を利用するといいと考えます。
「常同行動」という症状は、毎日同じ時間に家を出て、同じ道を歩き、同じ店に立ち寄り、同じ店の商品を持ち帰ってしまう行動をとることが特徴です。
この常同行動をやめさせれば犯罪もなくなると考え、安易に前頭側頭型認知症の方の出かけるという行動を止めてしまうと怒ってしまい暴言や暴力につながってしまいます。
介護を難しくさせてしまいますし、認知症の方にも介護者にも良いことではないですよね?
そこで、「常同行動」を利用しあらかじめいつも立ち寄るお店に、物を持って帰ってしまうことは「前頭型認知症」の症状のためであることを説明し理解してもらったうえで協力してもらうなどの対策が有効です。
先に、お支払いをしておくなどもいいと思います。
他の対応として、こういった行動をなくすのは難しいことを前提に、止めさせるのではなくほかの行動にうまく誘導するという対応がいいと考えます。
その一つとして、デイサービスの利用をすることでいつもの行動の一つとなりサービス利用中にはお店にいきものを持って帰ってくるという行動を防ぐこともできます。
対策で1番有効なのは、困った行動に繋がらないように違う行動に誘導することが大切です。
②常同行動の原因を探ろう!
常同行動とは、同じ行動を繰り返し行うことです。
行動で多いのが、先ほども上げた同じルートで同じお店のものを持って帰ってくるという行動の他にも机や車いすのひじ置きや介護者や利用者をもたたいてしまう、大声を繰り返し上げてしまうということもあります。
しかも、大きな音は1時間以上続くこともあります。
介護者にとってストレスですよね?
施設でしたら、ほかの利用者様からの苦情の原因にもなります。
苦情だけならまだいいのですが、施設には様々な方がおられ例えばレビー小体型認知症の方は音に敏感なため恐怖の対象になるなどほかの方の症状を誘発してしまうことがあります。
この対応をするときにまず行うことは、なんでその行動をしているのか原因を探ることです。
多くの場合、音を出す行為の根本的な原因にストレス解消の側面もあります。
大きな音を好む前頭側頭型認知症の方はストレスを解消するため太鼓などの楽器をたたいて音を楽しんでいる感覚のことも多く、周りが迷惑しているという認識はありません。
このことから、静止はせず原因を探り対応することが大切になります。
まとめ
2回にわたり、前頭側頭型認知症についてお話しさせていただきました。
今回のお話しで、症状を理解しうまく対応することにより、反社会的行動としてしまう「自分勝手で迷惑な行動をする人」から「自分本位でも面白い人」というとらえ方が出来介護が楽になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。