万引き!今までしたことがない人がなぜ?その原因にこの病気が隠れていることも?!~part1~

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万引き!今までしたことがない人がなぜ?その原因にこの病気が隠れていることも?!~part1~

今まで、万引きをしたと連絡があったら、周りの人に迷惑な行動をしてしまったら家族はどうしてと困惑してしまいますよね?

今回は、その原因になるといわる、認知症の中で5%を占めるこの「前頭側頭型認知症」についてお話しさせていただこうと思います。

前頭側頭型認知症(FTD)は「アルツハイマー型認知症」、「レビー小体型認知症」の次に多いと言われており認知症の方の5%(20人に1人)といわれています。

前頭側頭型認知症って?

前頭側頭型認知症(FTD)は、アルツハイマー型認知症と同じで脳の萎縮が原因で起こる認知症です。

ですが、アルツハイマー型認知症とは萎縮が始まる脳の場所が違うため症状の出てきかたが違ってきます。

前頭側頭型認知症はその名前の通り、前頭葉や側頭葉が萎縮から起こっていきます。

萎縮とは細胞の大きさが減少すること。小さく変化して、機能しなくなること。

前頭型認知症には男女差はなく40代~60代に発症することが多いと言われています。

タウたんぱく質などが変化し、前頭葉や側頭葉に蓄積することにより「前頭側頭型認知症」を発症するといわれていますがなぜたんぱく質が変化し蓄積してしまうのかはっきりと突き止められていません。

前頭葉や側頭葉が萎縮するとなにが起こるの??

・前頭葉

万引きしてしまうことも・・・

前頭葉に異常が生じると大半の方に人格への障害が起きてきます。

この人格障害が起こる原因としては前頭葉が「思考」「やる気」「感情」「理性」「性格」といった社会性や人間の知能の高さを保つうえで重要な役割を担っているからです

社会性がなくなってしまうとやりたい放題、身勝手な行動が増えます。

そして、社会のルールがわからなくなり、他人の目も気にならないためほしいと思うとお店のものを勝手に持って行ってしまうなどの行動をしてしまいます。

・側頭葉

側頭葉は記憶力を司っているため、ここが萎縮してしまうと物忘れがひどくなります。

側頭葉は左右で役割が違います。また、右利きの方と左利きの方でも左右の側頭葉が担う機能が変わるためちゅういが必要です。

右利きの方を例えにすると...

左側の側頭葉が言語中枢になります。

このため、左側の側頭葉が萎縮すると言語中枢が侵されます。

そのため、「お箸」や「えんぴつ」などの簡単な言葉でも言葉の意味が分からなくなります。

右側の側頭葉が萎縮すると視覚的な意味がわからなくなります。

視覚的な意味が分からなくなると、鏡に映った自分の姿や家族を見ても誰なのかを理解できなくなります。

一般的には、左利きの方は右利きの方と左右の側頭葉の機能が逆になると言われています。

例外として、私が関わった側頭葉の障害があった方で(前頭側頭型の方ではありませんが側頭葉の障害の例として)左利きの方で左側の側頭葉の障害を負った方がいたのですがその方は言語障害が出ていたということもありました。

左利きの方だから右利きの方だからと決めつけずあくまで一般的にはこうだなと思っていただくほうがいいと思います。

進行していく経過と症状は?

進行の経過としては、初期→中期→後期の順で進行していきます。

前頭側頭型認知症では認知症特有の「物忘れ」があまり見られないため早期発見が難しいのが特徴です。

そのため、進行の過程を理解することがとても大切となります。

➀初期

・自発性の低下

自分から何かに取り組むことが出来なくなり、物事に無関心になります。

会話をしなくなり、質問に対しても真剣に答えなくなり適当に答えてしまうといった行動が認めます。

・言葉の意味が分からない

「えんぴつ」や「お箸」などの知っているはずの言葉や物の意味が分からなくなります。

また、「団子」「海老」という漢字を「だんし」「かいろう」とよんでしまうこともあります。

・常識のない行動をしてしまう

刺激に対する反応や抑制が抑えられず、本能のまま行動してしまいます。

相手に対して遠慮がなくなり暴力をふるってしまうこともあります。

また、常識や社会のルールがわからなくなりため信号無視や万引きなどの反社会的な行動をしてしまいます。

ですが、ご本人は本能のまま行動しているため悪いことをしているという気持ちはありません。

②中期

・常同行動

多くの方に見られる、同じ行動を繰り返すことを「常同行動」といいます。

感情や行動の抑制が出来ず、常に身体を動かしているのも前頭側頭型認知症の特徴的な症状の一つです。

例えば、机をたたく、同じ場所へ出かける、毎日同じものを食べるといったことがあります。

・反響言語

相手の言葉をおうむ返しのように何度も繰り返す、同じ言葉を言い続けることを言います。

・自分勝手な行動をしてしまう

集中力がなくなり、周りの状況を考えず突然立ち去ってしまったり突然大声を出したり怒り出してしまいます。

例えば、診察を受けていて質問に対して「別に」など横柄な態度をとってしまったり突然「帰る」と立ち上がりそのまま帰ってしまったりということもあります。

③後期

・迷惑行為

人が傷つける言葉を言ったり、大声を出しながら外を歩いたり自分勝手な行動が目立ち繰り返します。

そのため、人間関係も壊れてしまい家族や周りの人も離れてしまい孤立してしまうこともあります。

最後に

今回は、認知症の方の5%(20人に1人)に発症すると言われている「前頭側頭型認知症」についてお話しさせていただきました。

次回は、症状に対する対応についてお話しさせていただきます。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

はじめまして! 看護師9年目のhimawariです。 障害者福祉施設→産婦人科→小児科と経験し、現在は介護老人保健施設で働いています。 日々、利用者様やご家族様との関わりから教えて頂いたことなどを交えてお話しさせて頂ければと思います^_^ そして、介護に関してまだまだ未熟な私の成長にもお付き合い頂ければと思っています。 よろしくお願いいたします。

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