前回、➀幻視・幻覚、②パーキンソン症状の対応についてお話しさせていただきました。
今回も関わり方の続きをお話しさせていただこうと思います。
目次
関わり方ってどうしたらいいの?
③レム睡眠行動障害(RBD)
レビー小体型認知症を発症された方の9割で起こすと言われています。
他の認知症でも睡眠障害は起こりますがレビー小体型認知症がもっとも多くみられるため対応がとても大切です。
・危険がなければ見守る
レム睡眠障害の方に対して一番怖いのは突然の起き上がりによる転倒や外に出てしまうことだと思います。
また、暴力的な夢を見ていた場合そのまま家族や介護者にたたくなどの暴力を向けてしまう場合があります。
レム睡眠障害は10分程で収まることもあるため、このような危険な行動がない場合は見守ることも対応の一つです。
・突然起こさない
レム睡眠行動障害の対応に対して一番気を付けたいのが、急に体をゆすったり声を掛けて起こしたりしてしまわないことです。
突然起こされてしまうと夢の中の出来事と現実が混同してしまい起きた時により興奮してしまうためです。
私たちでも、夢を見ている時に突然大きな音や突然人から揺さぶられるとびっくりしますし一瞬現実なのか夢なのか混乱してしまいますよね。
対応としては、「目覚まし時計を鳴らしてみる」、「電気をつけ部屋を明るくする」などで自然に起きることができる環境を作ることが大切です。
また、刃物などの危険なものは目のつくところに置かない、床にマットを敷きつまずくものを置かない、扉や窓のカギはかけもう一つ予備のカギをつける、ガラスは割れにくいものを使用するなども有効です。
・睡眠の質を高める
日中にお散歩や体を動かすことによりメリハリのある生活を心がけることが大切です。
また夕方からの激しい運動や暴力表現のあるテレビを控える、カフェイン(コーヒー・紅茶・緑茶・ウーロン茶など)の摂取を控えることも睡眠の質を高めることに繋がりますし介護者や家族に暴力的な行動がみられる方には特に控えたほうがいいです。
④薬剤性過敏症
2017年にレビー小体型認知症の診断基準から外れてしまったようですが50%の方に見られると言われており介護を行う上で注意が必要です。
この、薬剤性敏感庄は少しの薬でも効きすぎてしまい一日中寝てしまったり、薬により幻覚が現れたりします。
薬を飲む際は少量から始めることや飲み始める前と飲み始めてからの違いを日々観察すし早めに気付くことが大切です。
⑤脱水
脱水は体調不良の原因や睡眠の質の低下にもつながるため、飲んだ量の観察は重要です。
レビー小体型認知症の方は、おトイレが近くなることを嫌い極端に水分をとることを嫌がります。
そのため、なくなっているから飲めていると思っていても、家族や介護者が見ていないときに流しに捨てているということもあります。
対応としては、提供した後飲めているか観察すること、また声掛けを行い飲んでもらえるように促すことです。
お茶やお水が嫌いな方でしたら甘味のついたジュースなどを提供することも一つですが糖尿病の既往がある方には注意が必要となります。
⑥認知機能障害
認知機能障害は関わる際に必ず変動があることをン念頭に置いておく必要があります。
認知機能の変動は一日の中で起こる方や長い方では一ヶ月と人やその時の状態により様々です。
対応としては、認知症の方の状態をまず把握すること、そしてはっきりされている時に大切なことを伝えるようにしぼーっとしている時には「歩行の時には付き添う」、「難しいことをさせない」などの対応が大切です。
また、人により様々ですが認知機能が悪くなる前には何らかの“サイン”が現れることもあるため小さな変化をみのがさずほかの家族や介護者と共有することが大切です。
最後に
2回にわたり症状別の対応についてお話しさせていただきましたがどうでしたか?
レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症に都築2番目に多い認知症といわれていますし特徴的な症状も多数あります。
この記事が少しでもお役に立てればうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。