ご自宅でも施設でも、認知症の方が「夜中に何度もおきてしまう」「大きな声を出す」「夜中にごそごそと何かをしている」こんなことが続くと悩んでしまうケアの一つではないでしょうか。
ご家族の方にはとても負担になり介護ストレスのおおきな原因になることも考えられますよね。
今回は、そんな認知症と睡眠障害の関係と対応についてお話させていただければと思います。
目次
認知症と睡眠障害の関係!
認知症の方はかなりの割合で睡眠障害を抱えていると言われています。
変化していることに加えて、認知症ならではの要因が睡眠障害を起こしやすくします。
アルツハイマー型認知症
脳が障害を受けたため神経細胞が減少することにより睡眠と覚醒のリズムが崩れてしまいます。そのため、まとまった睡眠をとることが難しくなります。
認知症が進行してくるとより睡眠障害も悪化し、1時間連続して眠ることが難しくなります。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症では、レム睡眠行動障害という特徴的な睡眠障害がみられます。これは、睡眠中に怖い夢を見て大声で叫んだり暴れたりすることを言います。
脳血管性認知症
アルツハイマー型認知症と同じ理由により、スムーズな入眠が妨げられます。
さらに、脳梗塞や脳出血により障害を受けた部位により体温調節なふぉ睡眠に必要な機能が障害を受けうまく働かないことも考えられます。
気持ちが落ち着かず寝れない
健康な人でも、心配事があったり腹が立つことがあって気持ちが高まっていると、その気持ちを引きずってしまい眠れないということを経験された方はおられると思います。同じように、安心できない環境で不安やイライラするようなことがあると睡眠障害につながってしまいます。
身体がしんどくて寝れない
頭やお腹が痛いときや麻痺があり自力で体の向きを変えれないことにより背中や関節が痛いとき、痒みなどの不快などは途中でおきてしまう原因になります。
対応のポイントは?
良質な睡眠をとることに必要なこととして、日中の過ごし方が大切なポイントです。
日中のケアとして
朝日を浴びる
朝日を浴びることは、サーカディアンリズムを整えるためにとても大切です。起床の際、「今日はいいお天気ですね」と声掛けをしながら窓辺に行き、目から光が入るよう意識して関わることが大切です。
身体を動かす
「日中は起きていましょう」と座ってもらうだけでは座ったまま寝てしまっている方も見かけることがあります。座ったまま寝てしまうことは疲労に繋がりますし転倒の危険もあります。
私が働いている職場では、午前と午後にレクリエーションの時間を作り体を動かしたり頭を使うような関わりをしています。
それでも眠気が強い方には次に、
昼寝を提案し、一度寝ていただくこともしています。
もちろんご本人が希望されないときは、声掛けを頻回にさせていただき興味のあることの提供もしています。
午後のコーヒーや緑茶に注意
睡眠に支障がない方は問題ありませんが、睡眠に問題がある方は夕方以降のカフェインの摂取を控えたり取りすぎに注意したいですね。
睡眠時間にこだわらない
施設では、消灯時間や起床時間が決まっており大体9時間は寝ていただくために電気を消し寝むれる環境を提供させていただくという対応をされていると思います。また、職員も「寝てくださいね」と声掛けをさせていただきますよね。
ですが、認知症でなくても高齢になると睡眠が浅く時間も短くなるとわかっているので「何時間は寝ていなくては」と考えず「その人にとっての適切な睡眠時間」に目を向け対応する必要があります。
私が働いている施設では、消灯時間に電気を消しますが眠れない方はナースステーションのそばにいてもらいしばらくおしゃべりや雑誌を読むなど好きなことをしていただくこと眠いと訴えがあってから寝ていただくこともあります。また、温かい飲み物を提供することで落ち着き、眠気を誘うことも有効と考えます。
最後に
ご自宅で介護されている方の中には日中仕事をしながら介護をされている場合もあると思います。そのうえで、夜中も目が離せない何度も起きてごそごそしているという状態だと疲れてしまいますよね。
日中の過ごし方や無理に寝るのではなく自然に眠くなるような対応を心がけていただくことで夜間過ごし方が少しでも改善されればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。