年齢を重ねていくと、便秘を抱える方も多くなってくる中で下痢でも悩まれている方も多いと思います。
そんな下痢について原因と下痢を起こしている時の注意点をお話させていただければと思います。
目次
下痢はどんな状態?
腸粘膜が萎縮してしまうと、消化吸収障害が起こってしまい水分や必要な栄養素が吸収されないまま水分の多い泥状便から水様便として体の外に出てしまう状態をいいます。
正常に機能していると、小腸と大腸で水分の99%が吸収されます。
そのため、水分がうまく吸収されない状態や薬や体から出る水分が増えることによっても下痢になってしまいます。
下痢を起こしてしまう原因
急性下痢
急激に起こる下痢のことを言います。
暴飲暴食
刺激物(辛い食べ物や香辛料)の摂取
アルコールの取りすぎ
ウイルスや細菌による感染(食中毒など)
お薬による下痢
など生活習慣や感染症によるものが原因となります。
慢性下痢
3週間以上下痢が続いている状態のことを言います。
大腸癌や潰瘍性大腸炎などの腸の病気
過敏性腸症候群(直接腸には原因はないものの下痢を引き起こしている状態)
などの病気によって起こしてしまう下痢が原因となります。
浸透圧性下痢
腸からの水分吸収が妨げられて状態です。
食べた物の浸透圧(濃度の低い方から高いほうへ移動する際にかかる圧)が高いと、腸で水分を吸収することが出来ないまま便として体の外に出てしまうため、下痢になってしまいます。
甘いもの(人工甘味料など)を食べすぎてしまったときに起こりやすく、牛乳を飲んでお腹が緩くなってしまうこともこの浸透圧性下痢に含まれます。
分泌性下痢
胃や腸からの水分分泌が増えた状態です。
胃や腸は消化や吸収をするだけでなく、腸液などの水分を分泌しています。
そのため、分泌する量が増えてしまうと腸内の水分量も増えてしまい下痢になってしまいます。
分泌量が増えてしまう原因は、細菌やホルモンの影響が考えられると言われています。
蠕動運動性下痢
便を腸の中を通過して体の外に出すために蠕動運動を繰り返し行っています。
この蠕動運動が活発すぎると、食べ物の水分が十分吸収される前に体の外に出てしまうため下痢になってしまいます。
滲出性下痢
腸に炎症があると、炎症を起こしっている部分から浸出液(血液の成分や細菌の体液など)がでて便の水分が増え下痢になります。
下痢の症状
排便の回数が増える
お腹が痛くなる
吐き気、嘔吐
便に血が混ざる
熱がある
倦怠感(体がだるい)
のどが渇く
頭痛
などの症状が現れます。
下痢の状態が続いていると、脱水になりさらに重症になってしまうと意識がもうろうとしたり痙攣を起こしてしまったりと命の危険が伴ってきてしまいます。
下痢をしている時の食事
下痢を起こしているときには、食事の量は少なめにし、消化に良く腸に負担のかからない食品を取りましょう。
消化が悪く、腸に負担がかかる食物繊維が多い食品(海藻、キノコ、こんにゃく、ほうれん草など)、辛いもの、炭酸などの刺激が強い食品や冷たいものを控えるようにします。
これ以外にも、脂肪分の多いお肉や魚、ハム、甲殻類も注意が必要です。
食物繊維の少ない野菜として、白菜や、ニンジン、大根、冬瓜、ジャガイモ、リンゴなどです。
白身魚や豆腐なども消化が良く、たんぱく質も取れるためおススメです。
調理方法としても、食材は小さく切り、柔らかく調理し、油も少なめにするようにします。
最後に
下痢には、食べすぎや腸の動きが活発になったことが原因で起こるものから、お薬によるもの、ウイルスによるものと様々な原因が考えられます。
食事に注意していても中々改善しないときには、かかりつけの医師に必ず相談してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。