（認知症症状）被害妄想に対しての対処法は?介護の質問

介護についての質問で

②介護保険について教えて？

④行動（認知症症状）に対しての対処法は？〜排泄編〜、〜徘徊編〜

今回は４つ目の質問、「行動（認知症症状）に対しての対処法は？～被害妄想編～」についてお話させていただきます。

被害妄想って何？

被害妄想とは、現実に起こっていないことを真実だと思い込み、訂正が不可能な状態を言います。　

被害妄想は様々な形で現れますが認知症の人の場合は特にと症状として現れやすいと感じています。

財布をどこのしまったか忘れてしまい、誰かが盗んだと思い込む。これは記憶障害がおこることによりみられることが多く、アルツハイマー型認知症の方に見られるといわれています。

家族に見捨てられるのではないかと思い込む。不安や自信のなさが原因となっていて、施設にご入所された初期に見られることがあります。

配偶者が浮気したと思い込む。これはアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症に見られることがおおいとされています。

特にレビー小体型認知症では、幻視や人物誤認などの幻覚から被害妄想へとつながることが多いといわれており、夫婦間での過去のエピソードも関係しているといわれています。

これはアルツハイマー型認知症の初期に見られるのが特徴とされています。生活の中で小さな失敗が増え、今までと「何かが違う」という漠然とした不安をかかえておられます。

被害妄想は様々な要因が複雑に絡み合って起こるとされていますが記憶障害は一つの要因と言えると思います。

レビー小体型認知症特有の「幻視」と「人物誤認」きっかけとなり被害妄想が起こります。幻視のため人が見え（実際には存在しません）、そこから「家に知らない人が住んでいる」「夫（妻）が浮気している」といった妄想に発展するといわれています。

認知症が進行してくると情報処理能力が低下して、複雑な会話や展開が早い話についていけず疎外感を感じてしまいます。このことが、“仲間外れにされている”と感じてしまう原因となります。

これは私たちに置き換えるとわかりやすいと思います。皆さんも大切にしているものをどこにしまって、それが必要なときに見つからなかったら…どんな気持ちになりますか？

私はここに直したのに…探しても探しても見つからない…不安な気持ちになりませんか？最終的に、誰かが持っていたんじゃないか？と考えてしまうかもしれませんよね。認知症の方は毎日このようなことが起こっています。

また、毎回忘れてしまっていますし「私は悪くない」と思っています。そして、「私は悪くないのに意地悪されている」といった被害者意識を持つようになると考えられます。

先ほど挙げた嫉妬妄想もこれに当てはめることが出来ます。例えば、妻が認知症になったとします。夫は今までと同じように接することが出来なくなり、妻は“夫の様子が変だ！”と感じます。プラスして幻視も加わると“ほかに女がいて浮気をしているから態度が違うんだ”と思うむようになると考えることが出来ます。

被害妄想の根底にあるのは、

・以前のようにうまく物事を進めることが出来ないことの不安

・もっと出来るはずなのにという葛藤

・どうしたらうまくいくかわからないまま進んでいくことへの焦り

と考えています。

認知症でなくても、

自分は理解していないのに周りだけどんどん話が進んでいったら…

自分はこう思う、見えているんだと訴えてもそれは違うそんな人はいないといわれたら…

不安や焦りでいっぱいになるのではないかと思います。

こうした感情が渦巻いている時に些細なことがきっかけとなり症状が起こってしまうと考えます。

次回、対応をお話しさせていただければと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。