前回、介護についての質問で
②介護保険について教えて?
③介護は施設と自宅、どっちがいいの?
④行動(認知症症状)に対しての対処法は?
今回は3つ目の質問、「介護は施設と自宅、どっちがいいの?」についてお話させていただきます。
目次
介護の質問③ 介護は施設と自宅、どっちがいいの?
自分や家族が認知症の診断を受け要介護の状態になったとき必ず直面する問題の一つにどこで過ごしたいか、この問題は必ず出てくると思います。
まず、自宅と施設の介護をするうえでのメリットとデメリットを考えてみたいと思います。
自宅での介護
メリット
1番の魅力は、住み慣れた自宅で生活を続けることだと思います。介護が必要なご本人様とご家族様と協力が得られる場合や、独居であっても大きな支障がなく日常生活が送れる場合に選択されます。
この場合は、専門家によるサービス利用の頻度や種類をケアマネージャーと相談し状況に合わせて、比較的自由に組み合わせ選択できることもメリットの一つです。
要支援・要介護により使える支援や回数が決まっているため注意が必要です。
デメリット
1番のデメリットはやはり家族にかかる負担が大きいことです。
ご家族様からよく聞くのが、
➀精神的な負担
②時間的な負担
③肉体的な負担
この3つが大きいです。
自宅での介護が長期間続いたり、ご本人様の介護度が高ければ高いほどご家族様にかかる身体的精神的社会的負担は大きくなりますよね。訪問介護サービスなどの利用も可能ですが希望のサービスが受けれないリスクも考えておく必要があります。
また、共働き世帯や核家族化が進んでいる近年は、特定の家族に介護の負担がかかり共倒れになってしまうリスクも高くなってきているように感じます。
実際に施設をご利用の際、ご家族様の負担が大きくなりすぎ緊急的にご本人様には短期間施設へ入所していただくという対応をさせていただくこともあります。
その場合は、ご家族様には休息を取っていただくことはもちろん突然ご入所となったご本人様は突然環境が変わってしまうことで混乱されるためケアも大切となってきます。ご家族様もご本人様も疲れてしまう前にサービスを利用することも大切です。
施設での介護
メリット
1番のメリットは医療従事者や介護の専門スタッフによる24時間体制のケアを受けることが出来ることです。要介護度が高くなると、夜間の体位変換や排泄介助(おむつ交換)、経管栄養や吸引という専門的な医療や介護も必要になるからです。
また、認知症を患う高齢者は病状により24時間体制での見守りが必要になることもあります。安全面を考えると十分メリットになると思います。自宅での介護の場合、ご本人様にとってもご家族様への気遣いやストレスを抱えることも多く、施設介護の選択がいい結果を生むこともあります。
デメリット
1番のデメリットはやはり高額な費用にあると思います。有料老人ホームでは月額15万前後から高額になると数十万から数百万となり自宅での介護でサービスを利用した際の費用とくらべると月々の出費が大きく異なります。また、施設に入所できてもうまく馴染めず退所をしないといけないことも考えられます。
施設への入所を視野に入れる場合には、施設ごとの制約もあるため複数の施設を見学し十分な検討を重ねることをおススメします。
まとめ
自宅での介護を選択するにしても施設での介護を選択するにしても1番大切なことはご本人様の希望です。
自宅の畳の上で死にたいという人もいれば、子どもに迷惑をかけたくないと施設への入所を希望される方もいると思います。
また、子供と同居するためには遠くに行かなくてはならないなら、住み慣れた街で過ごしたいと施設を希望される場合もあります。
性格によって、管理されるのが嫌いな人もいれば、なんでもお世話をしてほしいという人もいますよね。
日ごろからご本人様はどう考えているのか、認知症などで意思表示が出来なくなる前に話し合いの時間を作り、意向を聞いておくことやご家族様の思いをご本人様に伝えていくことがとても大切だと私は考えます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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