寒さが増してきた中、コロナもまた増えてきていて、外に出かけることが少なくなってしまっている人が多いのではないでしょうか。
そんな中、増えてきてしまうのではと心配されている、健康健康寿命を短くしてしまい寝たきりや介護が必要な状態になってしまう「ロコモティブシンドローム」のお話をさせていただければと思います。
目次
ロコモティブシンドロームとは
運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を「ロコモティブシンドローム」といいます。
この、「ロコモティブシンドローム」という名前は、英語で‟移動すること”を表す「ロコモーション(locomotion)」と‟移動するための能力があること”を表す「ロコモティブ(locomotive)から作られた言葉です。
「ロコモティブシンドローム」を略称として「ロコモ」と呼ばれることもあります。
日本語では、「運動器症候群」と言われています。
運動器とは、身体を動かすために必要な組織や器官のことで、骨や筋肉、関節、靭帯、腱、神経などから構成されています。
ロコモの原因
「運動器の障害」の原因には、大きく分けて「運動器自体の疾患」と「加齢による運動器不全」があります。
運動器自体の疾患(筋骨格運送器系)
加齢に伴う、様々な運動器の疾患のことを言います。
変形膝関節症や骨粗鬆症にとって起こしてしまう円背(背中が曲がってしまい前かがみの姿勢になってしまうこと)、易骨折性(骨が弱く骨折してしまいやすい状態)、脊柱管狭窄症、関節リュウマチなどによって、痛みや関節可動域の制限、筋力低下、麻痺、けいれんなどによる、バランス能力、体力、移動能力の低下をきたした状態のことです。
加齢による運動機能不全
加齢によって身体能力の低下が徐々に起こってしまうことはありますが、引きこもってしまいご自宅から出ない状態や運動不足が原因となります。
筋力低下、持久力の低下、歩く速度の低下、バランス能力の低下などは、転倒しやすい状況を作ってしまいます。
あなたもロコモ予備軍かも!ロコモチェックをしよう!!
ロコモティブシンドロームは、早くから気付き、生活習慣に運動を取り入れ予防することが大切です。
そこで、7つの項目によって運動器の衰えが無いか簡単にチェックすることが出来る「ロコモチェック」があるためご紹介します。
ロコモチェック
7つの項目はすべて、骨折や関節、筋肉などの運動器が衰えているサインです。
1つでも、当てはまれば「ロコモ」の心配があります。
‟チェック0“を目指しましょう。
➀片足立ちで靴下がはけない
②家の中でつまずいたり、すべったりする
③階段を上るのに、手すりが必要である
④家のやや重い仕事が困難である
⑤2㎏程度の買い物をして、持ち帰るのが困難である
※1ℓの牛乳パック2個程度
⑥15分くらい続けて歩くことが出来ない
⑦横断歩道を青信号で渡りきれない
ロコモチェック以外の「ロコモ度テスト」
「ロコモ」かどうかを調べるための3つのテストです。
➀立ち上がりのテスト
片足または両足でどれくらいの台の高さ(40㎝、30㎝、20㎝、10㎝の4種類)から立ち上がることが出来るか、立ち上がった後3秒キープが出来るかを見るテストです。
このテストでは、下肢の筋力を調べることが出来ます。
反動をつけないために、腕の前で腕を交差させて行います。
転倒や無理をしないようにし、膝の痛みがあればすぐに中止をしてください。
②2ステップテスト
出来るだけ大股で2歩歩き、歩幅を測定するテストです。
2歩幅(㎝)÷身長(㎝)=2ステップ値となります。
歩幅を調べることで、下肢の筋肉、バランス能力、柔軟性などを含めた歩行能力を総合的に評価することが出来ます。
③ロコモ25
身体の状態や生活状況など25の質問に答えることで「ロコモ」であるかを調べることが出来ます。
25の質問についてはこちらを参照してください。
ロコモを予防しよう
ロコモティブシンドロームの予防には、毎日の運動習慣とバランスの良い食生活が大切です。
毎日の運動習慣に取り入れやすい「片足立ち」や「スクワット」などはご自宅で簡単に行うことが出来ます。
また、毎日の生活の中で、階段を使ってみる、一駅分歩いて買い物に行ってみる、散歩をしてみるなど少しプラスしてみることがロコモの予防になります。
〇片足立ち
左右1分ずつ、1日3回行います。
注意点としては転倒しないように必ずつかまることが出来る環境で行います。
足は、床につかない程度に片足を上げます。
最後に
特に高齢の方は、コロナで外に出にくい状態が続いていると思います。
ご家族様もご本人様と一緒に、寝たきりや介護が必要な状態にならないために混雑しない時間や場所を選んで、散歩に出かけてみましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。