年齢を重ねていくと、身体の不調を感じることが多いのではないでしょうか。
介護をする中でも対応が求められ、身体の悩みとしてあげられることが多い「便秘」についてお話させていただこうと思います。
目次
便秘ってどういう状態
便秘は、「3~4日以上有効な排便がない状態」と定義されています。
男性よりも女性の方が多く、年齢を重ねることによって腸の動きが弱くなるなどの原因から便秘の方も増えると言われています。
便秘になると、お腹がはり食欲がなくなるなどの症状が現れ、ひどいときには腹痛や嘔吐などを引き起こしてしまいます。
高齢の方が便秘になりやすいのは
高齢の方に便秘が多くなるのは大腸や肛門の機能が変化するためです。
〇腸粘膜が萎縮し、消化液の分泌が低下する。
大腸への血流が低下することによって蠕動運動が低下し、便が停滞してしまいます。
腸の粘膜が萎縮すると、糖質や脂質などの消化吸収場外も起こしてしまい下痢を起こしてしまいます。
〇直腸内圧感受性の閾値の上昇
直用内感受性の閾値が上昇することのよって、直腸まで便が送られても、排便販社が起こりにくくなってしまいます。
〇腹筋力の低下
便意を感じても、腹筋力の低下から排便に必要な腹圧をかけることが出来なくなります。
これらの理由から、高齢の方に便秘が多いとされています。
また、食事や水分摂取量の低下や歯が欠損してしまった状態、咀嚼力(食べ物を噛む力)の低下などが便秘の原因になりと言われています。
便秘の種類
便秘といっても、便秘を起こしている状態によって分けられています。
器質性便秘
大腸の形態に問題がある状態です。
大腸癌や炎症、ポリープなどの腫瘍によって大腸が狭窄し、便が盗ることが出来なくなってしまった状態を言います。
機能性便秘
ストレスや年齢を重ねることによって大腸の機能に問題が出てきている状態です。
<弛緩性便秘>
運動不足や長期臥床によって腸管が萎縮し、腸の動き(蠕動運動)が低下してしまったことによって起こります。
長い間腸に便がとどまっていることによって、水分が少なくなり便が硬くなってしまいます。
<痙攣性便秘>
副交感神経の過剰な興奮によって腸管が緊張してしまい、便をうまく直腸まで運ぶことが出来ず水分の少ないコロコロとした便になってしまいます。
持続的なストレスや過敏性大腸炎などが原因によって起こります。
<直腸性便秘>
便意が起こらない状態や直腸に便が到達しても、うまく排便できず便が直腸にたまってしまっている状態。
習慣性便秘とも言われ、高齢の方や寝たきりの方、痔や排便を我慢してしまう方に見られます。
<その他>
パーキンソン病や脳梗塞の後遺症などの病気によって症候性便秘を起こすことや薬の副作用から薬剤性便秘を起こしてしまいます。
便秘の予防
お腹のマッサージをしよう
高齢の方に多くみられる弛緩性便秘に特に効果があり、マッサージをすることで腸の動き(蠕動運動)を促すことが出来ます。
➀横になっていただき、膝を立てお腹の力を抜いていただきます。
②深呼吸をしていただきながら、おへそを中心に時計回りに大きくゆっくりと、優しく円を描くようにマッサージをします。
※ご家族様が行うときには、ご本人様の呼吸に合わせて行いましょう(息を吐いたときに圧迫し、吸ったときに力を緩める)。
食事に気を付けよう
食事は、食物繊維が多い食品(野菜、果物、いも類、豆類など)や腸に刺激を与えてお通じを促す食品(海藻、寒天など)を意識してとるようにしましょう。
そして、のどがくぁいていなくても、お食事の時や合間で水分を問うことも大切です。
排泄のリズムをつけよう
習慣化は大切で、便意が無くても毎日同じ時間にお手洗いに行くことで同じ時間に排泄をするという生活リズムに整えます。
ただし、ご本人様の負担になるため便器に座るのは5分程度で出なくてもやめておきます。
例)
・朝起きたらコップ一杯のお水を飲む。
・朝食をとってから20分ほど休憩し、便意が無くてもお手洗いに行く。
など、ご本人様のご希望に沿いながら毎日行います。
最後に
今回は、便秘についてお話させていただきましたがいかがでしたか?
便秘が原因でお食事がおいしくとれと楽しみも減ってしまいます。
便秘の原因によっては毎日のケアで改善するため試してみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。