おいしいご飯をおいしく食べることは誰でも楽しみのひとつではないでしょうか?
高齢になってくると、噛む力(咀嚼)・飲み込む力(嚥下)が弱くなり食べることを楽しめなくなってしまいます。
そこで今回は、安全においしく食べられるように、高齢者の特徴や食事介助の方法をお話させていただこうと思います。
目次
高齢者の特徴を知ろう
飲み込む力(嚥下)や噛む力(咀嚼)が弱くなると、今まで何気なくできていた食べるための動作が難しくなってきます。
そのため、私たちと同じスピードや量を口の中に入れてしまうとうまく飲み込めずむせてしまい誤嚥のリスクが高まります。
そこで高齢の方の食べるときの特徴や体の特徴についてお話させていただきます。
〇噛む力が弱くなる
あごの筋力が落ちてしまう、歯や歯茎の調子が悪い、入れ歯が合わないといったお口のトラブルはより食べ物を噛む力(咀嚼)を弱くしてしまいます。
噛めないからと、固いものや繊維の多い食べ物を避けて、噛まなくても食べれるような柔らかい食べ物をとるようになってしまうと噛む力は弱る一方です。
そこで、柔らかすぎず固すぎないものを選ぶ、固いものや噛みにくい食べ物は刻んで食べやすくするなどの工夫をすることが大切です。
〇飲み込みづらくなる
唾液の分泌の低下や十分に噛むことが出来なくなる、舌で食べ物をお口(口腔内)の奥に送ることが難しくなる、飲み込む力が弱くなることから飲み込むことが難しくなりお口の中(口腔内)に食べ物を溜め込んでしまいます。
〇味覚が衰える
味覚が衰えてしまうと味を感じにくくなってしまいます。
そのため、味付けが濃くなる、濃い味のものを好んで食べるようになります。
また、おいしさも感じにくくなるため、食事が進まなくなったり食事の量が減ってしまう原因となります。
食事が十分にとれない状態が続くと、低栄養の様態を招いてしまうため注意が必要です。
食事の前に環境を整える
食事をとる時の姿勢
〇座って(座位で)食べる場合
安定して座れる場合(座位姿勢を保てる)は、椅子に座って食べることをおススメします。
しっかりと床に足がつき、少し前傾の姿勢になることもポイントです。
両足がしっかりと床につき、少し前傾姿勢を保つことで体に力が入りやすくなり、噛む力を強めることに繋がりしっかり噛んでから飲み込むことで誤嚥のリスクも減らすことが出来ます。
〇ベッドの上で食べる場合
介護用のベッドでしたら足元や頭側を調節することが出来るため使用します。
介助が必要な方でしたら頭側を30度、ご自身で食べることが出来る場合は出来れば60度上げて食べてもらいます。
食べている間に身体がずれてしまわないために足元も上げておくこともポイントです。
頭や腰にクッションを挟み、顎を引いた状態にすることや介護を受けている方が楽な姿勢でお食事が出来ることが大切です。
食事の際の注意点
食事の時間は30分を目安に
楽な姿勢をも頃掛けていても、食事をとることや座った状態は疲れやすいため食事の時間は30分程度を目安にしましょう。
疲れてしまうと飲み込む力もさらに弱ってしまい誤嚥のリスクを上げてしまいますし何より食事が楽しくなくなってしまいます。
横に座って介助をしましょう
目の前に座って介助をされたり立ったまま介助をされているとどうしても相手の視線が気になり食事に集中できなかったり、上から見下ろされた状態では落ち着いて食事がとれません。
横に座って目線を合わせて、今日のメニューや味付けはどうかなど話しながらきちんと飲み込めているか、一口の量が多くないか確認しながら行いましょう。
食事は一緒に
出来れば一緒に食事をとってみてください。
私たちも、一人で食事をとるより一緒に食事をとる人がいる方が楽しい時間になりませんか?
誤嚥には気を付けないといけませんが、みんなで楽しくお食事をすることも大切だと思っています。
食後のケア
食後は歯磨きやうがいをして、入れ歯を外して洗うなどお口の中に食べ物が残らないよう必ずお口の中を清潔にします。
お口の中に食べ物が残っていると、細菌が増えてしまい口臭や虫歯、歯槽膿漏の原因となります。
また、誤って気管に唾液が入り誤嚥した際、お口の中で増えた細菌が唾液と一緒に肺に入ってしまうことで誤嚥性肺炎の原因となってしまうからです。
最後に
飲み込む力や噛む力の低下から食事がどうじても取れない状態の時には栄養補助測品の検討や認知症の進行からとれない方には好きな食べ物を積極的にとっていただくこともあります。
最後の時までお食事が楽しみの時間となりおいしく召し上がれる状態や環境で過ごしていただけますように。
最後まで読んでいただきありがとうございます。