介護を行う時、転倒の原因となる場面で多いのが排泄動作の場面ではないでしょうか?
今回は、なぜ転倒が排泄動作の場面で多いのか、私が働く施設で行っている排泄動作での転倒予防方法と研修で学んだ方法をお話しさせて頂きます。
目次
なぜ、排泄動作は転倒が多い?
それは排泄動作と言っても前回お話させて頂いた「認知症の方の転倒」でもお話しましたが、排泄の時に私たちが何気なく行っている動作は認知症の方にとってとても複雑な動作がいっぱいあるんです。
①お手洗いに行くとまず、便座の位置を確認します。
トイレの扉から便座までの距離を確認し、手すりがあるか確認します。
②便座に近づきズボンと下着を下ろします。
私だったらと考えた時、便座ギリギリまで近づきズボンを下ろして、直ぐに座れるようにします。
ですが、認知症の方は入って直ぐズボンを下ろしてから便座に近づこうとされたり、後ろ向きで歩かれ便座とは違う所で座り込んでしまうということもあります。
また、高齢になるとパッチなど何枚も重ね着をしていることが多く下すのに手間取り、バランスを崩して転倒ということも多いです。
③便座に座る。
上記ても言ったしっかり便座に近づいていると危険は無いのですが近づいていないと便座と違う所で腰を下ろしてしまい便座に座れず転倒になります。
④立ち上がり、下着とズボンを上げる。
この時は、下す時と逆で便座ギリギリで立ちそのまま下着やズボンを上げようとしたとき、すんなり上げれれば問題は無いのですが、近すぎて便座に下着やズボンが引っかかる事があるんです。
この時、引っかかると手間取り力でどうにかしようとしてバランスを崩し、転倒につながります。
私たちが、そばにいれば「一歩前に出てください」との声掛けで防げますが一人で行かれた場合は難しくなります。
バランスを取るため、壁におでこをつけて上げ下げされる利用者様もいらっしゃいます。
⑤トイレから出て手を洗う。
トイレも終わって一安心!それは大間違いです!
手を洗い方向転換して歩き出そうとした時こそ転倒の危険が高く、私の働く職場でも転倒されているところを発見したがあります。
排泄動作の転倒!どう防ぐ??
①目印をつける
車椅子をご使用の方でしたらこの字型に、歩いている方でしたら足形にテープなどを貼り目印をつけ車椅子を止める、足を置いてもらえるようにします。
また、ポータブルトイレを夜間使用する時に便座と背もたれの境界線が分からず転倒してしまうという時には、便座に沿ってテープを貼り目立つようにすると転倒が減ると言われています。
②手すりをつける
トイレの中はもちろん洗面台にもつけるといいです。てを洗ったあとの方向転換の際に、この手すりを持って貰えるようにすると転倒のリスクは随分と減少します。
また、ポータブルトイレを使用していただく場合はベッド柵をL字のものに変更するだけでも立ちやすくなり転倒予防になります。
③滑り止めやクッション材のマットを引く。
ベッドサイドでポータブルトイレを使用する際に有効なのが滑り止めがついた少し厚みのあるマットです。
立ち上がる際に、滑って転倒することを予防出来ますし、もし転倒してしまった時にもクッション材の効果で骨折などの最悪な事態を回避する事ができます。
最後に
声をかけてもらえる関係を築くこと!
ご家族様でも介護スタッフでもこの関係を気付く事が一番大切です。
今回、ご紹介させて頂いた原因や予防法は、これ以外にもまだまだ沢山の原因や予防法があると思います。
また、新たに実際に行ってみて良いと思った排泄動作での転倒の予防法があればお話させて頂ければと思います。
最後まで読んで頂きありがとうござます。