入浴は、介護者が悩むことの多い日常のケアの一つだと思います。
声をかけた時に、「私は汚れていないから大丈夫」や「体調が悪いからやめておくわ」と言われてしまい、説明しても入ってもらえなかったら困ってしまいますよね。
今回は、なぜ入浴拒否が起こるのか認知症の種類別に簡単にご紹介と対応をお話しさせていただこうと思います。
目次
認知症の種類別!入浴拒否の特徴とは??
アルツハイマー型認知症
入浴そのものよりも、服を脱いで裸になるという行為自体に強い抵抗がある。
レビー小体型認知症
アルツハイマー型認知症に比べると入浴拒否は少ないといわれています。日内変動やパーキンソン症状が影響し、動きたいという気持ちが低下したことが影響します。
前頭側頭型認知症
脱抑制により自分勝手に行動してしまいます。身体を綺麗にすること(清潔)への関心が低下してしまいます。
脳血管性認知症
入浴拒否は少なく、脳血管障害が発生した部位によっいぇの違いはありますが、比較的入浴は好きな方が多いです。
逆に、私が働いている施設では利用者様おひとりに対し週に2回、入浴介助をしているのですが毎日入りたいとおっしゃる方が多いと感じます。
対応で気を付けること
介護者の常識は、認知症の方にとっては非常識!
わたしが働いている施設でも入浴時間は朝の9時半からとお昼の13時半の2回に分けて入っていただきます。ですが、それは「普通」でしょうか?私たちも一般的に入浴は夜に入っていませんか??
施設では、どうしても夜に入浴介助を行うことはマンパワー的にも難しくご利用者様の理解を得て日中に入浴していただいています.
ですが、それを当たり前と思って介助はしてはいけないと日々感じています。
無理強いはしない
現場の声で多く聞かれるのは、「最初は拒否されたけど、何とかお風呂に連れて行ったら入ってくれて、最後は気持ちいいと言ってくれた」ではないでしょうか。
私にも経験があります。ですがこれって間違いなんです。認知症の方の記憶の中に残るのは「気持ちよかった」ではなく「無理やりお風呂に連れていかれた」となり次に誘ったときにはさらに拒否に繋がってしまうことになります。
この対応では、長い目で見れば嫌な記憶を増やしてしまい、認知症の方にとってマイナスになることも考えられます。
今日、はいれなかったら明日でいいやという気持ちも大切です。
不安・深い・恐怖心を残さない
「浴室で転倒しそうになった」「溺れそうになった」「(服を脱いだ時)寒かった」
認知症の方がこのような負の感情を抱いてしまうと次の入浴拒否に繋がる場合があります。
私も入浴介助に入らせていただいたときに「お風呂に入りましょう」と声掛けをした際、「服を脱いだら寒いからいや」と言われたことがあります。
この時は、「洋服を脱いでも寒くないように脱衣室を温めているので入りましょう。」との声掛けで入っていただけましたが…
気持ちよかったではなく寒いなどの負の感情のほうが残るんだと感じ、拒否につながるんだと感じた場面でした。
不安・深い・恐怖心を残さない配慮は大切です。
快の記憶を残す
入浴前・中・語の一連の流れを丁寧に行うことが次の入浴に繋がります。
一例として、私の働く施設での入浴拒否の方に行ったかかわりで、入浴前に散歩に行き「疲れていませんか?汗をかいたのでお風呂に入りませんか?」や入浴後にその方が好きなコーヒーを提供することにより、入浴してもらえたということがありました。
嫌な記憶を残さないことに加えて、入浴に関する“快の記憶”を増やす努力も大切です。
まとめ
週に何回は入浴してもらわなきゃいけない、決まった時間があると焦りがあれば、ゆっくり対応が出来ないこともあるかと思います。
私が働く施設では入浴前の散歩はリハビリのスタッフにお任せしますし、どうしても入浴できないときは翌日に回しなどの対応をしています。
ですが、これが続くのは困ってしまいますよね。
排泄に失敗したときに入ってもらうこともありますがお風呂を使える時間や職員の人数により対応が難しいことも多いです。
職員みんなの問題としてカンファレンスを開催し、利用者様がなぜ入浴が出来ないのか、その方の今までの生活歴も考慮し対応できればいいですし、ご本人が本当に望んでいることが何か常に考えて介護が出来ればいいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。