認知症が進んでくると食事を用意してもご飯を食べてくれないことがあります。
介護者から見ればご飯を食べれなかったり水分が飲めなかったら…
認知症の方の体調が心配になり「食べてほしい」と思いますよね?
今回は食べない原因と対応をお話しさせていただきます。
目次
原因1 食べ物と認識できていない
食べ物は見えていますが、目の前に出された食事が食べ物かどうかわからなくなっています。これは「失認」と言い、認知症の症状の一つです。食べ物であることがわからないため、食べ物をつまんでみたり、床に落としてみたりすることがあります。
!対応!
ご本人様に目の前にあるものが食べ物であることをわかってもらえるよう声掛けを行います。
「ご飯です。おいしいですよ」、「好きな物はありますか?」
といった声掛けを知ることで、食べ物であると認識してもらえるようにしていきます。
原因2 食べ方がわからない
食べ物でありことはわかっていても食べ方がわからなくなっています。
これは「失行」と言い、認知症の症状の一つです。お箸で食べ物をつかんで口まで運ぶ、食べ物を噛む、この当たり前の行動が出来なくなります。
!対応!
一緒に食べてみてください!
「一緒に食べましょう。」「他の方もご飯を食べていますよ。」
と声掛けをして、まず食べている様子見てもらい、食べ方をまねしてらいます。
原因3 注意散漫になっている
食事の準備が出来ているのに立ち上がり歩き出してしまう方がいます。食事よりも気になることがあり(トイレに行きたい、家に帰りたいなど)注意が向いていて、食事に集中できなくなっています。
!対応!
この場合は、まず「どうされましたか?」と聞いてみます。声をかけることでしたいことがわかれば対応し席についていただきます。ですが、対応しても落ち着かないときや何がしたのかご本人もわからず歩いている場合はしばらく様子を見て改めて声掛けをしていくようにしています。
「食べてほしい」と焦らず、今でなくても後で食べてもらえたらいいやと考えるようにして対応させていただいています。
原因4 嚥下機能(飲み込む力)の低下
嚥下機能(飲み込む力)が低下すると、食べ物をうまく飲み込めなくなり、誤嚥(食べ物が機関に入ること)のリスクが高くなります。食べ物を口にいれても吐き出してしまう、むせ込んでしまう、食べ物をいつまでも飲み込めない(溜め込み)場合に考えます。
!対応!
食べ物の固さはちょうどいいか、食べ物の大きさはちょうどいいかなどの食事の内容をまず見直します。食べにくいようであれば、キザミ食やミキサー食など食事内容を変更します。
また水分や汁物にトロミをつけるなどの工夫もします。
無理して介助したり、飲み込もうとすると誤嚥によって誤嚥性肺炎を引き起こしてしまうため、無理をしないことも大切です。
原因5 体調が悪くて食べれない
便秘でおなかが張っている、口内炎が痛い、熱があってしんどいなどの体調不良が原因で食欲がなく食べれないという状況です。
体調不良の際、認知症の方はうまく伝えることが出来ないことがほとんどです。
食欲がない、不機嫌な状態が続いてるなどの場合は体調についても注意が必要です。
!対応!
まずは「しんどいところはないですか?」「痛いところはないですか?」などの声掛けやバイタル測定(体温・血圧など)、排便回数の確認をし、体調不良がないか確認していきます。
上手く表現できない方も多いため言葉を変えていろんな質問をして反応を見ることも大切です。
ご本人がよく使っていた言葉や表現で聞けたとき反応があることがあるからです。
ここでもう一つ、単にお腹が空いていない、嫌いなものだったということもあるため話を聞くことが大切です。
1日様子を見て、どうしても食べれないときは医師に報告相談しています。
ご自宅で過ごされている方は、かかりつけ医に相談してみてくださいね。
まとめ
ここまで、いろいろな原因を上げましたが、単に食事の拒否といっても原因はいろいろあります。
いつも食事をされている時の様子を観察しながら、いつもと違うと感じたときは焦らずいろんな方面から原因を探っていくことが大切です。
また、緊急性がなければ「一日ぐらい食べなくても大丈夫」と考えゆっくりご本人と関わることが大切です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。