前回、介護についての質問で
②介護保険について教えて?
④行動(認知症症状)に対しての対処法は?
今回は4つ目の質問、「行動(認知症症状)に対しての対処法は?~排泄編~」についてお話させていただきます。
目次
行動(認知症症状)に対しての対処法は?~排泄編~
認知症の方の介護をしていると拒否や弄便(便を触ってしまったり、壁や床になすりつけてしまうこと)は施設でもご自宅でも必ず直面する問題の一つだと思います。
この質問をくださった方はご自宅でおばあさまの介護をされているのですが一番困っていることに排泄を上げておられました。
では、なぜおこるのでしょうか?
それは…
羞恥心(プライド)への配慮不足
にあると思います。
自分に置き換えてみたとき、排泄の際自分より年齢の若い人やお子さんやお孫さんに下着を下ろされ排泄しているところを見られている…。
こういう状況になったときどんな気持ちになりますか?
恥ずかしいという気持ちはないですか?
不安や不快感はないですか??
こういう気持ちが特に認知症の方は強く感じておられると考えています。
羞恥心への配慮がない声かけや介助は、認知症の方に「自分が拒否されている」と感じてしまう対応になってしまいます。
弄便についても同じだと考えています。
ただ、介護者から見たとき認知症の方の便を漏らしてしまったときの行動が問題なんですよね?
なんで汚れた下着をタンスに直すの?
なんで壁に便を擦り付けるの??
こんな気持ちになるのではないでしょうか。
便の独特のにおい…臭いですし見た目にも初めて見るとびっくりしてしまいますよね?
これも、やはり“羞恥心” からくるものです。
便を漏らしてしまったことへの恥ずかしさや介護者やご家族様に知られたくないという気持ちからしてしまう行動だと考えています。
介護拒否や弄便があったときの対処方法は?大切なのは声掛けです!!
介護拒否や弄便があったときの対応、それは介助者の声掛けが一番大切になってくると思います。
介護拒否があったら「早くトイレに行ってほしいのに」や「なんで行ってくれないの?」と思うことがあると思います。
弄便や汚れた下着がタンスに入っていたとき、特に初めてこのような行為を見た場合「なんでこんなことをするの?!」と思ったり、ご本人様に言ってしまったりすることもあると思います。
こんな風に介助者が思うことは当たり前です!
ですが一度深呼吸!
イライラや焦りは思っている以上に言葉や表情を通じ相手に伝わっています。
ご本人様にとっては、羞恥心や不安が強くなってしまいますよね?
一つの例として…
弄便に対して
利用者様の中にはどうされましたか?とお聞きすると「便が…。」と教えてくださり一緒にトイレに行くということがありました。
パンツやズボンが便で汚れてしまっていることもあります。
その時は、
「教えてくださりありがとうございます。」
「気持ち悪かったですね。」
「気付くのが遅くなり申し訳ありません。」
とお伝えしています。
便を触ってしまったときも一緒です。
このことを繰り返していくと汚れてしまったとき言いやすい雰囲気が出来介護拒否や行動も減るのではと考えています。
介護拒否について
私の働いている施設では定時にトイレの声掛けをさせていただいています。
ですが、私たちも行きたくないときはありますよね。
そんな時はまず声掛けを変えます。
「〇〇さん、おトイレに行きませんか?」から
「〇〇さん、一度下着(利用者さんによってはパンツ)が汚れていないか確認させていただけませんか?」
声掛けで「行こうと!」と変わる利用者様もいますしそれでも駄目なときもあります。
駄目なときはつぎに、
・一度離れて時間を置き再度声掛けをおこなってみる。
・介護者を変えてみる。
この2つを試します。
私たちも、この人だといいやすいけどこの人には言いにくいということもありますよね。
それでも駄目なときは、
・立ち上がりやソワソワする行動を待ってみる。
ただ、この時には失敗されていることもありますが…
まとめ
・私だったらと考えて声掛けすること。
・声掛けた対応を変えてみる。
・私がしなければ!と一人で抱え込まず周りも巻き込むこと!!
介護のすべてに言えることですが、とても大切なことだと考えています。
認知症の方の羞恥心に配慮しお互いが気持ちよく生活できる環境が出来ればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。